
前立腺肥大症と前立腺がんの違いとは
前立腺肥大症と前立腺がんは、泌尿器科で日常診療、看護する機会の多い疾患。ともに高齢男性に多く、前立腺が組織学的に増殖する点では共通していますが、疾患の定義、診断の仕方、症状、治療法などに様々違いがある。その両者の違いについて、記載してみます。
疾患の定義
- 前立腺肥大症
原因:
加齢に伴い、前立腺の細胞が増殖し、尿道を圧迫することで排尿障害を引き起こします。ホルモンの影響も関与していると考えられています。診断:
- 尿検査: 感染症の有無を確認
- 超音波検査: 前立腺の大きさを測定
- 尿流測定: 排尿の勢いを評価
- 残尿測定: 排尿後の残尿量を確認
治療:
- 薬物療法: α遮断薬や5α還元酵素阻害薬を使用
- 手術: 経尿道的前立腺切除術(TURP)など
前立腺がん
原因:
遺伝的要因やホルモンの影響が関与。高齢者に多く、食生活や環境要因もリスクを高める可能性があります。診断:
- PSA検査: 前立腺特異抗原(PSA)の値を測定
- MRI: 前立腺の異常を画像診断
- 生検: 組織を採取し、がん細胞の有無を確認
治療:
- 手術: 前立腺全摘除術
- 放射線療法: 外部照射や小線源療法
- ホルモン療法: 男性ホルモンの抑制
- 化学療法: 進行がんに対する治療
前立腺がんは早期発見が重要で、定期的な検査が推奨されています。
これらの疾患は、早期発見と適切な治療が重要です。さらに詳しい情報が必要であれば、ぜひお知らせください。お役に立てることがあれば嬉しいです!

