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前立腺がん(PSA)検診で死亡率64%低下!
前立腺がんは、早期に発見し対応することで生存率が最も高いがんのひとつです。
リンパに転移する前に、前立腺がんを発見して対処しましょうね!
前立腺がんは、早期発見・適切治療が最も大切です。
進行した状態での発見や前立腺がんで命をおとす男性を一人でもすくなくしていきたいですよね。
50歳以上の男性の75%がPSA検査
米国では、50歳以上の男性の75%が少なくとも1回は前立腺がんPSA検診を受けています。
PSA検診の普及とその後の適切な治療によって、前立腺がんの死亡率は1990~1992年をピークに、低下傾向が続いており、2010年には1990年と比較して45%死亡率が低下しています。まさに、PSA検診が普及したお陰です。
また、2014年に発表されたEUの研究では、PSA検診を受けなかった人に比べて死亡率が21%低下することが確認されています。SWの研究でも、14年間の経過観察により、PSA検診受診群の死亡率が約半減することがわかっています。
さらに、オーストラリアではPSA検診開始以降、男性の約90%がPSA検診を受診して、死亡率が64%も低下したことが実際に報告されております。
では、日本ではどうでしょう?
日本泌尿器科学会の最新ガイドラインでは、PSA検診は50歳以上、人間ドッグでは40歳以上の男性を受診対象としています。他国よりも罹患率が低いのもガイドラインが定められているからでしょう。前立腺がん検診の最新情報・利益・不利益などについて正しい情報提供を受けた上で受診することが推奨されています。
前立腺がん患者数は増加
前立腺がんは、中高年になると多くみられるので、注意しましょう。
近年の高齢化、食生活の変化により日本人の前立腺がん罹患者数は増加しています。
2014年では胃がん・肺がんに次いで第3位だったのが、2015年では前立腺がんが第1位に!もともと2020年に1位になると予想されていましたが、5年以上も早く1位に君臨してしまったのです。
米国のほうは、30年以上も前から前立腺がんが1位で、死亡原因の第2位となり社会問題になっていました。しかし、PSA検診が普及するとともに、適切な治療が確立されて死亡率が低下し続けています。
日本人の前立腺がん死亡率は依然として減少していませんが、死亡率は男性がんの中で6位といった低順位です。
参考までに2015年は約11,000人の男性が前立腺がんで亡くなっています。
前立腺がんのリスクを減らすために
前立腺がん(PSA)検診を受診すると、前立腺がん死亡のリスクが確実に低くなります。
前立腺がんのリスクが高まる50歳以上から、人間ドッグなどの受診機会がある方は、PSA検診することを強くお勧めします。
勤め先の定期検診で追加料金を支払うと前立腺がんPSA検診を安価で受けることができますよ!
前立腺がんの特徴は「無症状」「進行が穏やか」。
※一部には急激に増殖するものもあります。
多くは尿道から離れた辺縁の外腺にできることが多いので、排尿に関する症状が起きにくく、自分自身で気付くことはありません。また、前立腺がんが大きくなって尿道などに浸潤すると血尿や前立腺肥大症に似た排尿症状がおきますが、無症状のまま転移することもあって、骨転移が広がると「腰が痛い」などの症状がでてきます。いかに早く前立腺がんを見つけるかは、PSA検診にかかっていると言っても過言ではありません。
PSA検査とは
PSA検査は、前立腺がんを早期に発見するのに有効な血液検査で、PSA値が高いほど前立腺がんの疑いが強くなります。
PSAとは、タンパク質の一種です。前立腺がんになると血中に流出するPSAが増加するので、早期発見のための検査として用いることができます。
PSA検査はごく少量の血液で検査が可能です。通常の血液検査とあわせて簡単に行うことができます。
とにかく、前立腺がんは早期に発見し、適切に治療すれば完治の可能性が非常に高いです。
覚えておきましょう。
50歳を過ぎたらPSA検診を!